何かのSNSを見ていたら、ソフトバンクグループの社債の公募情報を発見しました。ぱっと見たところ利率も良さそうなので、応募するかどうか検討してみました。
結論からいうと・・
結論からいうと、私は購入は見送ろうかなと思います。
このソフトバンクグループ株式会社 第8回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債は、「利率はかなり高めだが、そのぶん普通の社債より仕組みが複雑で、リスクも一段重い社債」です。私のように社債初心者にわかりやすく表現すると、「高い利息の理由は、普通社債より投資家が譲る条件が多いから」と理解するとわかりやすいです。
どんな社債なの?
まず基本条件です。1口100万円から購入でき、当初5年間の利率は年4.97%、利払いは年2回、初回利払日は2026年10月22日です。法律上の償還期限は2061年4月22日ですが、会社は2031年4月22日以降の各利払日に、会社の判断で期限前償還できます。つまり、見た目は35年債でも、実際には「まず5年後に会社が返すかどうかを判断する債券」と考えるのが実態に近いです。なお、今回は主に個人向けで、申込期間は2026年4月13日〜21日です。この社債が難しいのは、名前にある3つの言葉です。
利払繰延条項
まず「利払繰延条項」は、会社がある利払日に、利息の全部または一部の支払いを繰り延べられるという意味です。販売資料では、強制停止ではなく会社の裁量で任意に繰り延べ可能とされ、未払い分をあとから払うこともできますが、繰り延べ中は予定していた利息収入を受け取れません。さらに、繰り延べられた利息の全部を受け取れない可能性も明記されています。
劣後特約付
次に「劣後特約付」です。これは、万一ソフトバンクグループの経営が大きく悪化したり破綻手続きになった場合、返済順位が普通の借金や普通社債より後ろになるという意味です。JCRは、この債券の請求順位は優先株式と同等で、一般の負債より劣後すると説明しています。このため、同じ会社の普通社債よりも、回収面では不利です。
期限前償還条項
そして「期限前償還条項」は、2031年4月22日以降、会社が任意で早めに元本を返して終わらせられる条項です。投資家から見ると、5年で返ってくるかもしれないし、返ってこないかもしれないということです。返ってこなかった場合の利率は、2031年4月23日以降1年国債金利+3.383%、2046年以降は+3.433%、2051年以降は+4.133%**に変わりますが、毎年見直しなので、その年の金利次第では前年より利率が上がらないこともあります。
メリット・デメリット
メリットははっきりしています。最大の魅力は、やはり当初5年の年4.97%という高い利率です。100万円を1口買うと、税引前の利息は年間49,700円、税率20.315%を単純適用すると税引後は年間約39,603円、半年ごとの受取イメージは約19,802円です。普通預金や低利の債券より、受取利息の見通しを立てやすい点は魅力です。
一方で、デメリットはかなり重要です。第一に信用リスクです。日本証券業協会も、社債は発行企業が倒産した場合などに元利金が支払われないことがあると説明しています。この債券のJCR格付はBBB+で、JCRの定義ではBBBは「債務履行の確実性は認められるが、上位等級より将来低下の可能性がある」水準です。
第二に、途中売却の値下がりリスクと換金しにくさです。日本証券業協会は、一般に金利が上がると債券価格は下がり、残存期間が長いほど値動きが大きくなりやすいと説明しています。みずほ証券の資料でも、この債券は償還前に売却すると元本割れの可能性があり、市場環境次第では売却しにくくなる可能性があるとされています。35年という長い設計なので、途中売却前提なら、価格変動は軽く見ない方がいいです。
第三に、2031年に必ず償還されるわけではないことです。会社は借換えを想定していますが、JCRはリプレイスメント文言の有効性を「十分とは言い難い」としており、5年後の期限前償還を当然視しない方がよいと読めます。逆に2031年に償還された場合は、その時点で元本は戻りますが、以後その高い利率は続きません。
なので、初めての個人投資家向けに率直にいうと、この債券は「高利率に魅力を感じ、5年程度は保有するつもりで、しかも普通社債より下の返済順位や利払い繰延リスクを理解したうえで買う商品」です。逆に、元本の安全性を最優先したい人、途中売却の可能性がある人、社債はまずシンプルな商品から始めたい人には、やや難度が高い部類です。最初に買う1本としては、同じ社債でも利払繰延条項や劣後特約のない普通社債の方が理解しやすいかなと個人的には思います。
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