楽天グループ株価の下落

投資

2月15日に楽天グループの決算が発表されてから同社の株価の下落が始まり、米国とイランとの戦争にも引きずられて株価は低迷しています。昨年は調子よく上がってきていた楽天株が下落したのはなぜでしょうか?

株価下落の原因

1. 営業黒字化は達成したものの、最終赤字がなお大きいこと
2. モバイル事業に伴う負債・借換え負担への警戒が続いていること
3. フィンテック再編や証券子会社上場見送りなど、資本政策の不透明感が残っていること

になります。上記原因を一つづつ、深堀していきましょう。

1. 営業黒字化は達成したものの、最終赤字がなお大きいこと

楽天グループは2025年12月期に、連結売上収益2.50兆円、IFRS営業利益144億円を計上し、営業段階では黒字化しました。会社自身も、モバイル事業でEBITDAベースの通期黒字を達成したことを大きな成果として強調しています。

ただし、株式市場がより重視する最終利益では、まだ厳しい状態です。株主総会招集通知では、親会社の所有者に帰属する当期損失は1,778.86億円の赤字と記載されています。営業黒字になっても、金融費用や税負担などを含めた最終段階では大幅赤字が残っているため、市場は「完全復活ではない」と判断しやすいです。

さらに会社は、当期配当を見送ると明言しています。理由として、収益性と財務体質は改善しているものの、資金流出を抑え、中長期成長投資と財務基盤安定化のための内部留保を優先すると説明しています。これは経営としては合理的ですが、株式市場では「まだ株主還元より守りが優先」と受け止められ、株価には重しになりやすいです。

要するに、楽天株は「営業面は改善している」が、「株主価値に直結する最終利益と配当がまだ弱い」ため、評価が伸び切らないのです。


2. モバイル事業に伴う負債・借換え負担への警戒が続いていること

楽天グループの株価を長く押さえている最大の構造要因は、やはりモバイル事業に伴う財務負担です。Reutersは、楽天がモバイル網構築のために積み上げた負債に対応するため、**借換えや“equity-related financing(資本性を伴う資金調達)”**を進める必要があると報じています。

また、Reutersは2025年1月時点で、楽天グループが近年、資産売却、子会社上場、増資など一連の資金調達策を実施してきたと整理し、2025年末までに4,000億円相当の社債償還を控えていたことも伝えています。これは足元だけの話ではなく、市場が楽天を見るときに常に意識する「財務リスクの記憶」です。

実際、2025年12月末時点の招集通知でも、連結財政状態計算書には社債及び借入金1兆5,980億円が計上されています。銀行やカード事業など金融子会社を含むため単純比較はできないものの、投資家が「依然として巨大な負債を抱えるグループ」と認識するには十分な水準です。

つまり、モバイル事業の赤字改善が進んでも、市場はなお
「この改善で、将来の返済・借換え不安まで本当に薄まるのか」
「また資産売却や希薄化を伴う資本政策が必要になるのではないか」
と見ています。
この財務面の警戒感が、株価の上値を抑え、時に下落要因になります。


3. フィンテック再編や証券子会社上場見送りなど、資本政策の不透明感が残っていること

3つ目は、資本政策・グループ再編の不透明感です。楽天グループは2026年2月、楽天銀行、楽天カード、楽天証券などを含むフィンテック事業再編の協議再開を発表しました。会社側は、これによりグループ横断の連携を強め、より機動的で柔軟な意思決定を可能にすると説明しています。

ただし、この再編は楽天銀行にとって支配株主との重要取引にあたり、楽天銀行側は独立した特別委員会を設置し、少数株主に不利益でないかを検証する体制をとっています。会社の開示自体が、利益相反への配慮が必要な案件であることを示しています。市場ではこうした案件は「長期的には合理化でも、短期的には複雑で不透明」と見られやすく、親会社である楽天グループ株にも不透明感が波及します。

加えて、2025年1月には楽天グループが楽天証券の上場計画を取りやめたとReutersが報じました。会社はみずほグループとの連携強化を優先すると説明しましたが、市場目線では「本来期待されていた資金回収・価値顕在化の道筋が変わった」と受け止められやすいです。Reutersも、楽天が近年、資産売却や子会社上場を通じて資金調達を進めてきた文脈でこの判断を位置づけています。

このため投資家は、楽天グループを見る際に単なる業績だけでなく、
次にどの子会社をどう再編するのか
財務改善のためにどんな資本政策を打つのか
その政策が親会社株主に有利なのか、不利なのか
まで気にしなければなりません。
この“読みづらさ”が、株価のディスカウント要因になっています。


今後の見通し

今後の楽天グループ株は、事業改善の加速財務不安の後退のどちらが市場に強く映るかで決まると思われます。

前向きな材料としては、会社が示しているように、モバイル事業のEBITDA黒字化売上収益の増加EC・カード・銀行・証券の顧客基盤拡大は確かに進んでいます。これが継続し、モバイルが単年だけでなく安定して利益貢献できるようになれば、楽天株は見直されやすくなります。

一方で、株価が本格的に強くなるには、単なる営業改善では足りず、
最終赤字の縮小
有利子負債の着実な削減
借換え不安の後退
復配の視界が開けること
が必要です。会社自身も、復配は安定的な利益創出と有利子負債の削減を進めながら適時適切に行うと説明しており、裏を返せば、現時点ではまだそこまで到達していないということです。

総合すると、楽天グループ株の下落理由は、
「本業は改善しているのに、最終利益・財務・資本政策にまだ不安が残る」
この一点に集約できます。
今後の株価回復のカギは、モバイルの黒字定着と財務の正常化が、数字としてどこまで明確になるかです。そこが見えれば評価修正の余地はありますが、現状ではまだ市場は慎重姿勢を崩していません。

ただ、楽天市場や楽天証券、楽天銀行などはサービスも良いものが多いので、株価が安い時に買っておくのも一つの手かもしれませんね。

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