不正アクセスに対する各証券会社の補償

投資

楽天証券口座乗っ取りでも共有させて頂きましたが、2025年5月から証券口座への乗っ取りが流行しました。日本の証券会社における証券口座の乗っ取り(不正アクセス)被害については、証券会社各社が原則として補償制度を設けており、条件を満たす場合に全額または一部補償されます。ただし、補償の可否や範囲は「顧客の過失の有無」や「対応状況」によって異なります。少し調べてみたので共有させて頂きます。

🔷 1. 証券口座の乗っ取りとは?

◆典型的な手口:

  • 顧客のID・パスワードがフィッシング等により流出
  • 不正ログインで株式や投信が勝手に売却され、資金が別口座へ送金される
  • スマホ端末への遠隔操作アプリ(例:AnyDesk)で直接操作されるケースも

🔷 2. 証券会社による補償制度の概要

◆基本原則:

  • 顧客に重大な過失がない場合、証券会社は「原則補償」
  • 金融庁のガイドラインに基づき、補償体制を整備

◆参考:楽天証券・SBI証券・松井証券などの公式方針

会社名補償有無条件
楽天証券あり(被害内容を確認後)過失なし、速やかな連絡など
SBI証券あり(調査後判断)不正アクセス確認、顧客の過失有無
松井証券ありパスワード管理に重大な過失がないこと

🔷 3. 金融庁の指導と業界ルール

◆関連法令・指針:

  • 金融商品取引法
  • 金融庁「利用者保護等に関する監督指針」
  • 一般社団法人 日本証券業協会(JSDA)の指導

◆指導ポイント:

  • 不正アクセス対策(2段階認証導入)
  • 利用者への注意喚起(フィッシング対策)
  • 万一の被害時には「誠実に補償を検討すること」が求められる

🔷 4. 補償されるための条件(代表的なもの)

条件説明
顧客に重大な過失がないことパスワードを第三者に教えた、簡単なパスワードを使った等は補償対象外の可能性
不正発覚後すぐ連絡したこと早期対応が重要(数日放置した場合は不利)
適切なセキュリティ対策をしていたことウイルス対策ソフト、2段階認証の使用状況など
警察への被害届を提出していること犯罪性の証明として必要な場合あり

🔷 5. 補償の範囲と限界

項目内容
補償範囲不正売却された株や出金された資金が対象(利益逸失は含まれないことが多い)
補償上限原則全額(損失額)だが、ケースバイケースで減額や非補償もあり
時効通常は発生日から一定期間(例:1年)内に申し出が必要

🔷 6. 最近の実例(2024〜2025)

◆事例1:楽天証券(2024年)

  • 顧客スマホが乗っ取られ、投信売却→資金出金
  • AnyDeskなどのリモート操作ツールが原因
  • 楽天証券は「全額補償」を実施(顧客に重大過失なしと判断)

◆事例2:SBI証券(2020年以降複数件)

  • パスワード流出による不正売却・海外口座送金
  • 被害者の対応状況次第で「一部補償」と「補償なし」の両方が存在

🔷 7. 利用者として取るべき対策

対策内容
2段階認証の設定スマホ認証アプリやSMS認証を有効にする
ID・パスワードの管理他サービスとの使い回し禁止、定期的変更
フィッシング対策メールやSMSで届く不審なリンクは開かない
アプリのインストール管理リモート操作アプリ(AnyDesk等)に注意

✅まとめ:補償の有無とその前提

ポイント内容
補償の可否原則補償。ただし顧客の重大な過失があると対象外
顧客責任適切なセキュリティ意識・早期連絡が重要
制度の整備金融庁指導のもと、各社が対応強化中

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