先日(LIXIL)で企業概要を共有させて頂きましたが、本日は株価、配当利回り視点で共有させて頂きます。
株価動向・チャート傾向
- 現在の株価は約 1,906 円。
- 52週レンジ(過去1年の高値・安値)は 約 1,533 円 ~ 1,990 円。
チャート上では、高値圏からの下押し圧力やレンジ膠着の動きも見られ、価格の上振れ余地とともに下振れリスクも孕む局面と考えられます。
配当の推移・配当指標
LIXIL の配当履歴・指標は次のようになっています。
年度 | 年間配当(円/株) | 備考 |
---|---|---|
2021/03 | 75.0 円 | 中間・期末配当で構成されていた通常配当水準。 |
2022/03 | 85.0 円 | 増配。 |
2023/03 | 90.0 円 | 維持。 |
2024/03 | 90.0 円 | 継続 |
2025/03 | 90.0 円 | 実績。 |
2026/03(予想) | 90.0 円 | 予想配当として据え置き。 |
- 配当利回り(会社予想ベース)は 約 4.72%。
- ただし、配当性向には注意を要します。2025年3月期実績での配当性向は 1,291.2% と非常に高い値になっています。利益(EPS)に対して支払われている配当金が過度に大きいという見方もできます。
- LIXIL は毎期に中間配当・期末配当の2回配当を行うことを基本方針としています。
配当の安定性という点では、「配当額が近年横ばい」である一方で、利益変動や収益力が伴わないと配当を維持すること自体が難しくなる可能性があります。
海外投資家目線での評価・リスク・魅力
魅力・強み視点
- 高利回り銘柄としてのアピール
約 4.7%前後の配当利回りは、グローバル投資家から見れば十分魅力的な水準。特に他国利回りと比較したときの相対優位性が期待される。 - グローバル展開力
LIXIL は水回り・衛生設備、建材分野でドイツの Grohe、アメリカの American Standard 等を傘下に持ち、海外売上比率を高めるポテンシャルがある。 - インフラ・住宅分野の安定需要
住宅リフォーム、インフラ改善、衛生インフラ整備など変動しづらい需要が存在。特に先進国・途上国での衛生設備アップデート需要に対応できる。 - 株主還元の姿勢提示
IRサイトで「中間配当+期末配当」「成長投資とのバランス」「キャッシュフローを重視」などの株主還元方針を明示している。
リスク・懸念点
- 利益対配当のギャップ
前述の通り、配当性向が1,000%を超えるような水準は持続可能性に疑問が残る。利益が大幅に落ち込めば配当維持が難しくなる。 - 高評価ゆえのバリュエーションリスク
株価には将来改善期待がある程度織り込まれており、業績が期待に届かないと下振れ圧力が出やすい。 - 為替リスク・国際コスト増
海外展開や部材調達などで為替変動、物流コスト上昇、原材料高騰が収益を圧迫する可能性あり。 - 国内建築・不動産市場依存
日本国内市場の停滞、住宅着工件数減少、政府規制強化などが業績への逆風となる。
宜しければ応援クリックお願いたします!


コメント