黒田グループ③

投資

黒田グループと黒田グループ②で黒田グループを調査してきたのですが、半導体関連の何をやっているのかイマイチよくわからなかったので、深堀して調査してみました。

事業構成・業務概要

少しおさらいにもなりますが、黒田グループは持株会社体制で、主に以下の4つの事業部門を展開しています。

事業部門主な活動内容
製造事業(生産財)自動化設備、金型設計・製造、アルミダイカスト部品、HDD用部品などを製造。
製造事業(直材)電設資材・電力資材、電気材料などを製造・販売。
国内商社事業日本国内で電子部品・電気材料などを卸売。
海外商社事業海外12~13カ国(中国、タイ、マレーシア、インドネシア、米国など)に拠点を持ち、電子部品・電気材料をグローバルに供給。

また、売上構成比としても「一般電子部品」「電気材料」が大部分を占めており、例えば2024年3月期で「一般電子部品:約50.6%」「電気材料:約41.6%」「半導体:約2.9%」「その他:約4.9%」という数字が出ています。


半導体関連の取り組み・位置づけ

「半導体関連」というキーワードで、黒田グループが何を手掛けているか・どのように関わっているかを整理してみました。

  • 売上構成比で「半導体」が約2.9%(24/3期)という数字があります。つまり、現状では半導体がグループの中核ビジネスというよりは関連業務の一つという位置づけです。
  • 商社部門の説明で「自動車業界およびエレクトロニクス業界のお客様への電子部品や電気材料等の卸売」に加えて、「半導体、機器・装置等」も納入対象として挙げられています。
  • 製造部門において、明確に「半導体製造装置」や「半導体材料」の文言が多数出ているわけではないが、「液晶用印刷版」「HDD部品」「電子回路設計・基板設計」のような、半導体/電子デバイス周辺領域(例えば基板、組込み回路、プリント基板設計)に関連する業務が展開されています。
  • つまり、黒田グループにおける「半導体関連」は、直接的なウェハ製造やファウンドリ機能ではなく、部材・材料・基板・電子回路設計といった“周辺ソリューション”領域であると言えます。
  • また、先行レポートでは「電子部品×商社ハイブリッド」型と評価されており、半導体テーマとして株式市場でも注目の一つになっています。

半導体分野の具体例・特徴

もう少し踏み込んで、半導体関連を含む周辺分野での具体的な取り組みを挙げます。

  • 黒田グループの海外製造子会社では「プリント基板レーザー加工工程」や「ハードディスクドライブ用部品の製造」などを行っており、これらは半導体デバイス・ストレージ/メモリ周辺分野と接点があります。
  • 商社部門では、グローバルネットワークを活用し、電子部品・電気材料・半導体・機器・装置等をエレクトロニクス業界・自動車業界のお客様に供給。つまり、半導体製造装置や半導体部材の供給チャネルとしての役割を果たしうる構図があります。
  • ニッチかつ技術的ハードルのある製造領域(例えば液晶用印刷版、自動化設備、金型設計など)に注力しており、半導体周辺で言えば「基板・部材・組立・自動化」という“上流機能”を補完するポジションに強みがあります。
  • ただし、売上比から見ると、半導体単独で高い割合を占めているわけではなく、「電子部品・電気材料」の方が現時点では主要な収益源です。つまり、将来的な“半導体比率拡大”が成長ドライバーになる可能性を市場は見ていると考えられます。

4. 強み・課題(半導体関連視点)

強み

  • 商社+メーカー両機能を持つハイブリッド型: 単なる部材卸しだけでなく「製造・開発機能」を持っており、顧客ニーズに対する“ワンストップ提案”が可能。
  • グローバルなサプライチェーンとネットワーク:海外12~13カ国に進出し、海外売上比率45%前後という数字。
  • ニッチだが技術付きの領域:HDD部品、液晶用印刷版、金型、自動化装置という“競争が緩め・技術障壁あり”の市場にフォーカスしている点が半導体周辺でも有利。

課題

  • 半導体比率が現状2.9%に留まっており、純粋な半導体デバイス/ファウンドリ・最先端チップ領域でのポジションは薄い。 → 成長を拡大させるためには、比率拡大が鍵。
  • 市況・需要変動の影響を受けやすい部材領域:HDD市場の落ち込み、液晶・ディスプレイ業界の構造変化などが影響。例えば24/3期では電子部品・HDD部品落ち込みの観察あり。
  • 製造部門と商社部門の両立ゆえに、競争相手(専業商社・専業製造メーカー)とのポジション取りが難しい場面も。

5. 今後の注目ポイント(半導体関連)

  • 半導体部材・素材・装置供給の需要増:例えば、車載半導体、電子部品の高仕様化、IoT/AI用チップ普及による部材・基板需要の増加が、黒田グループにとって追い風となる可能性あり。
  • 製造機能強化・技術投入:基板設計・レーザー加工・自動化装置などを活用し、半導体周辺における“高付加価値部材・装置”領域へのシフトが鍵。
  • チャネル強化・グローバル展開:海外製造拠点・商社拠点を活かして、グローバルな半導体サプライチェーンへの参画拡大。
  • 比率拡大の実現:現在2.9%という半導体関連売上比率を、今後10%超などに引き上げられるかが成長の鍵となる。

※情報は調査した時点での内容になりますので、今後変わる可能性があることはご留意ください。

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