米国ストリップ国債

米国債 投資

前回(米国債)で米国債について共有させて頂きましたが、その中でも米国ストリップ国債に投資するかどうか検討しているところなので、調査した内容を共有させて頂きます。米国債の利回りが高いうちに、リスク分散として株より安全度の高い、国債を買っておくのは一つの手かなと思っています。

米国ストリップ国債(U.S. STRIPS: Separate Trading of Registered Interest and Principal of Securities)とは?

米国ストリップ国債(STRIPS)は、米国財務省が発行する通常の利付国債(米国債)から、元本部分(プリンシパル)と利息部分(クーポン)を分離(ストリップ)し、それぞれを個別のゼロクーポン債として取引できるようにした債券です。


特徴

(1) ゼロクーポン債

  • ストリップ国債は利息の支払いがなく、額面(満期時の受取額)よりも低い価格(ディスカウント価格)で購入され、満期時に額面を受け取る形になります。
  • 例えば、10年満期のストリップ国債を現在の市場価格で70で購入すると、満期時に100を受け取ることで差額30が利息相当となります。

(2) 信用リスクが低い

  • 米国政府が発行するため、信用リスクは非常に低く、デフォルトリスクがほぼない安全資産として認識されています。

(3) 価格変動が大きい

  • クーポンがないため、金利変動の影響を受けやすい(デュレーションが長い)。
  • 一般の利付国債に比べて金利上昇時の価格下落リスクが大きく、逆に金利低下時には価格が大きく上昇する。

(4) 一般の投資家も購入可能

  • 機関投資家だけでなく、個人投資家も証券会社を通じて購入できる。
  • 最低購入単位は市場によって異なるが、一般的には1,000ドル単位で取引される。

メリットとデメリット

✅ メリット

  1. 信用リスクがほぼゼロ
    • 米国財務省発行のため、信用リスクは非常に低い。
  2. ゼロクーポン債の特徴を活かした運用
    • 長期投資向き(満期まで保有することで確実なリターンを得られる)。
    • 再投資リスクがない(通常の利付債はクーポンを再投資する必要があるが、ストリップ債はその必要がない)。
  3. インフレ期待が低い時に有利
    • デフレや低金利環境では価値が上昇することがある。
  4. 年金や教育資金の積立に適している
    • 目標期日に確実に額面を受け取れるため、学資資金やリタイアメント資金の計画に向いている。

❌ デメリット

  1. 金利上昇時の価格変動リスクが大きい
    • ストリップ国債はデュレーションが長く、金利上昇に弱いため、市場金利が上昇すると価格が大きく下落する可能性がある。
  2. 中途売却時のリスク
    • 満期まで保有すれば額面を受け取れるが、途中で売却すると損失を被る可能性がある。
  3. 課税の問題
    • 米国では発生した利息相当額(年々の価値の増加)に対して課税される。
    • 例:購入時70 → 満期時100の場合、毎年価格が上昇する分に課税される(たとえ売却しなくても)。
    • 非課税口座(IRA、401(k)など)での運用が一般的に推奨される。

投資戦略と活用方法

(1) 長期の資産運用

  • 10年以上の長期保有が前提となる資産(教育資金、老後資金など)の積立に向いている。
  • 満期時の受取額が確定しているため、計画的な資産形成が可能。

(2) 債券ポートフォリオの一部として活用

  • 通常の利付債と組み合わせることで、金利変動リスクを調整可能。
  • 株式市場のボラティリティをヘッジする資産としての役割も果たす。

(3) インフレヘッジとしての利用

  • TIPS(物価連動国債)と組み合わせてインフレリスクに対応。

どこで購入できるか?

  • 証券会社(オンラインブローカー)
    • 米国の証券会社(Fidelity, Charles Schwab, Vanguard など)で購入可能。
    • 一部の国際的な証券会社では、日本からも購入可能な場合がある。
  • 金融機関(銀行・投資信託を通じて)
    • 一部の銀行や投資信託を通じて購入可能。
  • 米国財務省直販(TreasuryDirect)
    • 直接購入は不可。STRIPSは金融機関が通常の米国債を分離(ストリップ化)したものなので、投資家は証券市場で購入する必要がある。

まとめ

特徴詳細
発行体米国財務省
クーポン(利息)なし(ゼロクーポン債)
信用リスクほぼゼロ(米国政府保証)
金利リスク高い(価格変動が大きい)
税金発生した利息相当額に課税(ただし非課税口座なら回避可能)
購入方法証券会社
最適な用途長期運用(教育資金・老後資金・年金運用)

米国ストリップ国債は、安全資産でありながら、金利変動リスクの影響を受けやすいという特徴があります。そのため、長期的な資産形成や債券ポートフォリオの一部として活用するのが適しています。

投資する際は、現在の金利環境や投資目的に適しているかを考慮し、慎重に検討しましょう!

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