「株価は美人投票である」という言葉は、経済学者 ジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes)が残した非常に有名な比喩で、株式市場の本質を捉えた洞察として現代でもしばしば引用されれるらしいです。(私は初めて知りました)気になったので調べた結果を共有します。
📚 出典と意味
✔ 出典:
- ケインズの著書『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936年)
✔ 意味:
株式市場は、ある企業の「本当の価値」よりも、他人がどの企業を良いと思うかを予想して買われるものである。
つまり、自分が良いと思う銘柄に投資するのではなく、他の人たちが良いと思うであろう銘柄に投資することが成功するためのカギ、ということです。
👩⚖ 美人投票の具体的な例え
ケインズは当時の新聞の「美人投票コンテスト」を引き合いに出しました:
- 新聞に100人の女性の写真が掲載され、「読者が最も美しいと思う顔」を選ばせる
- しかし当選者は、実際に美しい人ではなく、「他人が選びそうな人」
- 読者は「自分が美人だと思う人」ではなく「他人が美人だと思いそうな人」に投票する
これが株式市場にも同じく当てはまり、市場価格(株価)は、企業の本質的価値よりも、市場参加者がどう考えるかに影響されると説明したのです。
🏦 株式市場における応用
比較項目 | 美人投票の例 | 株式市場の場合 |
---|---|---|
対象 | 美人 | 株式・企業価値 |
自分の評価 | 好みの顔 | 本質的価値(ファンダメンタル) |
他人の評価予想 | 他人が好みそうな顔 | 市場が注目しそうな株 |
勝敗の決定 | みんなの投票結果 | 売買の集積(株価) |
📈 投資家にとっての教訓
- 株価は常に合理的ではない
- 市場参加者の感情や思惑で大きく変動する。
- 市場のセンチメント(雰囲気)を読むことも重要
- どれだけ企業業績がよくても、投資家に注目されなければ株価は上がらない。
- バブルや暴落は“思惑の連鎖”で起きる
- 本質価値から乖離した価格が形成される理由はここにある。
🔄 補足:本質 vs 人気
種類 | 概要 | 投資手法の例 |
---|---|---|
ファンダメンタル分析 | 企業の業績・財務状況を重視 | 「本当に価値のある株を買う」 |
ケインズ型投機思考 | 他人の思考・行動を読む | 「市場で人気が出そうな株を買う」 |
現実の投資では、両方の視点を持つことが望ましいとされています。
✅ まとめ
- 「株価は美人投票である」とは、市場の価格は他人の期待や行動の集積で決まるというケインズの洞察。
- 投資では、「自分の考える価値」と「他人が考える価値」のズレを利用することで利益を得られる。
- この比喩は、現代の行動経済学や投資心理学にもつながる重要な概念です。
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