インドとパキスタンが10日に停戦合意したことを受け、両国の株式相場は上昇。投資家の関心は、再び経済見通しの改善に戻っているようです。では、なぜ両国は対立しているのでしょうか?インドとパキスタンの対立は、1947年のインド・パキスタン分離独立以降、宗教・領土・政治の要因が複雑に絡み合って続いています。以下に、主な経緯を時系列で詳しく整理します。
🕊️【背景】1947年:インド・パキスタン分離独立
- 英領インドがヒンドゥー教主体のインドと、イスラム教主体のパキスタン(東西の2地域)に分離独立。
- これにより、1,000万人以上が宗教に基づき移動し、数十万人規模の宗教暴動や虐殺が発生。
- 最大の火種となったのがカシミール地方(ヒンドゥー教徒の君主+イスラム教徒が多数)で、帰属を巡る対立が始まる。
⚔️【第一次印パ戦争】1947年〜1948年
- カシミールにパキスタン系武装勢力が侵攻。
- インドが軍を派遣し、カシミールの君主がインドへの帰属を選択。
- 国連が介入し、停戦ライン(LoC: 実効支配線)を設定 → カシミールの一部はパキスタン占領下に。
⚔️【第二次印パ戦争】1965年
- 再びカシミールを巡る全面戦争。
- 大規模な地上戦と空爆が交錯したが、国連の停戦調停で終結。
- 明確な決着はつかず、両国の対立は続く。
⚔️【第三次印パ戦争】1971年(バングラデシュ独立戦争)
- パキスタンの東側(現バングラデシュ)が独立運動。
- インドが東パキスタンを支援し、パキスタンと全面戦争へ。
- インドが勝利し、バングラデシュが独立。
- パキスタンにとって大きな敗北となり、インドの地域的影響力が拡大。
☢️【核開発と緊張】1998年
- 両国が相次いで核実験を実施(インド→パキスタン)。
- 南アジアにおける「核兵器保有国同士の対立」が深刻化。
- 軍事衝突が全面戦争に発展しにくくなる一方で、緊張は常に高い状態に。
⚔️【カルギル紛争】1999年
- パキスタン軍と武装勢力が、カシミールのカルギル地区へ潜入。
- インドが軍事力で排除し、実効支配を維持。
- 両国とも核を保有していたため、戦争拡大は回避されたが、国際的懸念が高まる。
💣【近年のテロ・衝突】
● 2001年:インド国会議事堂襲撃
- パキスタン系イスラム過激派による犯行とされ、両国が再び軍事的緊張へ。
● 2008年:ムンバイ同時多発テロ(死者174人)
- イスラム過激派「ラシュカレ・トイバ」による犯行。
- インドはパキスタンの関与を主張、関係悪化。
● 2016〜2019年:パルワマ事件と報復空爆
- 2019年、カシミールでインド兵40人が自爆テロで死亡(ジャイシュ・モハンマドが犯行)。
- インドがパキスタン領内のテロ拠点を空爆 → パキスタンも反撃。
- 両国は空中戦を展開し、戦争寸前の危機に。
🧩【現在の情勢】
- 対話と衝突を繰り返す不安定な関係。
- カシミールの自治権撤廃(インド政府の2019年の決定)以降、パキスタンは国際社会への訴えを強めている。
- 経済・気候・宗教的過激主義なども絡み、複雑な対立構造が続く。
🔍補足:カシミールの現状
地域 | 実効支配国 | 備考 |
---|---|---|
ジャンムー&カシミール | インド | 特別自治権が2019年に撤廃 |
アザド・カシミール | パキスタン | 独自の政府を持つがパキスタンが管理 |
アクサイチン(カシミール東部) | 中国 | 1962年の中印戦争以降実効支配 |
今回の停戦については第3国であるアメリカの働きかけが大きかったようです。なんにせよ、核保有国同士の衝突は、エスカレートすると世界初の核戦争を引き起こしかねないので、今回のアメリカの対応は素晴らしいことだと思います。
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